数学教師、やってます

数学教えてます。 毎日いろいろあります。

少子高齢化、そして人口減少

 

 

「世界的に人口増加が進み、食料が足りなくなる」

「AIに仕事を奪われる。今ある仕事が無くなっていく」

よく聞く話。自分も大変な問題だと意識していました。

 

 ところが、それより大変な事態が進行し、そして回避不可能であることを今更知りました。

 少子高齢化とよく言われ、なるほどそうか、とだけ思っていました。

 知っている人から言わせると、「元から公開されているデータを持ち出してきて、昔から言われてきたことを焼き直しただけ。真新しくもない」本だそう。しかし恥ずかしながら、ここまで整理されて提示されたことがなかったので、初めて知ったことばかりでした。

 

 単純計算で、出生率が2を切ると人口は減少していく、と認識していましたが、厳密には2.07でなければならず、しかも2016年には1.44。猛烈な勢いで人口が減っていく危険水準だということ。戦後すぐには4.5だったそうな。

 

 いろいろな問題が列挙されていますが、何よりも根源あるのはこの人口減少であり、将来の勤労世代の激減だと思います。職場を維持しようにも、地域創生として人を呼ぼうにも、増え続ける高齢者の介護現場でも、「そもそも人がいない」状態になるということ。しかもきついことを言えば、人数が減るということは、仕事など活動の質の維持が難しくなる。実際、今でも「センター試験の問題が解けない人間が数学教師の募集に応募してくる。しかも少数ではない」という事態。人がいないのに現場を維持しようと思えば、そういう人でもいずれ雇わなければならなくなる可能性も。

 AIに仕事を奪われるどころか、AIに仕事を少しでも肩代わりしてもらわなければ日本を維持できない時代がすぐに来るということではないか。

 

 正直、かなり意識が変わりました。

 「グローバル社会で、世界で活躍できる人材を」

 「未だ世界で恵まれていない人たちを支援する」

どころの話ではなく。自分たちが一番危険な状況にあることをもっと認識すべきではないかと感じました。

 

 残念ながら、この本にある解決策はどれもピンとこないものばかりでした。

 避けられない破綻がこの先に待っている。

 

 教育がどうあるべきか、はこのデータを元にまずは再考すべきではなかろうか。